盆栽ひとすじ40年の園主のコラム&ワンポイントアドヴァイス
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プロフィール

園主

Author:園主
福岡県大牟田市にある皐月専門店「長野皐月園」の園主。

盆栽業を長く続けているからこそ、アドバイスできること。
思いなどをコラム調につづっております。
手軽でスタイリッシュではないけれど、趣のある昔かたぎな【皐月】の良さを、若い世代にも知ってもらいたい!
30年の間に培ってきた経験を、ネットを通して伝えて行きたいのです。

■2011年5月25日■
【なお姫】
(社)日本皐月協会に新花登録。
(長野嗣 名義)
---

お気軽にコメントください。
質問等も、出来る限りお答えしたいと思っております。
リンクをしてくださる方は、お手数ですがご一報くださいませ。

趣味:パソコン、車、DVD鑑賞など

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宣伝目的、掲載画像・文章の無断転載/仕様等、堅くお断りいたしております。

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2013.10.28 Mon
【番外編No.2】奇跡の猫
奇跡の猫

昨年の12月、娘夫婦の店の前で子猫がちょこんと座り、悲しそうに泣いていました。
もしかしてうちの「ミケ」ではないか?と思い、そばまで行ってみると、「ミケ」ではなかったのですが、栄養失調でやせ細り、顔は皮膚病みたいに少しはげているのです。
相当お腹をすかせているみたいで、缶詰のやわらかい餌を与えたのですが、冷たい小雨がちらついていて、余りの寒さに見かねた娘が、家の軒下に温かい布を敷いた段ボール箱を置いてその中に入れたら、疲れていたのかすぐに眠ってしまいました。

当時、我家にはすでに8匹の猫達が家の内外で平和に暮らしていたので、これ以上は無理だと思い、以前、子猫が欲しいと言っておられた近所の一人暮らしのご老人に相談したところ、「ちょうど寂しかったんですよ」と言って快く引き取って下さったのでした。

その後、ゴミ出しの時などよくお会いする機会があり、その度に「とても懐いてきました」「癒されています」等と大変喜んでいらしたので安心していたのです。
ところが今年の6月、ご老人の姿が見えないのに気付いたお向かいの方が、市へ連絡をされ、警察も来て家の中を調べてもらったところ、すでに亡くなられていました。

新聞受けには1週間分の新聞がたまったままになっていて、これはただ事ではないと思ったまわりの予感が現実となってしまったのです。

その場に10人近く集まられた近所の方の中に妻もいて、家の中に入られた警察の方が出てきて「亡くなられていました」と言われた時、「猫はどうですか?」と妻が尋ねたら「生きています」との返事があり急いで私に伝えに来ました。

私が走って現場へ行ったら、丁度その猫がふらふらと表に出てきたところだったので、とっさに抱きあげてそのまま家へ連れて帰りました。
その姿は、ここまで痩せられるものだろうか?としか言いようがないほど残酷なもので、急いで病院へ電話して指示を仰ぎ、柔らかい流動食を少しずつ与え、食べはしたのですが立っているのがやっとの状態で悲惨な姿を見ているのがつらく感じました。

ご主人が亡くなられた後もそばに寄り添っていたらしく、両前足には吐血された血が肘の上までべっとりとくっつき、余りにも悲惨な状況を引きずったままだったので洗ったところ、力尽きたかのように動かなくなってしまったのです。
タオルでくるみ、体をさすっていたらまた動き出したので、しばらくそのままにして休ませ、その夜から娘に世話をしてもらうことにしました。

次の朝、どうにか生きていたので娘が病院へ連れて行き診てもらったところ、先生は「生後7~8ヶ月くらいなのに、3ヶ月程度の大きさしかありません。生きているのが不思議なくらいです。でも死ぬかもしれませんよ。」と現状の厳しさを率直に言われ、私たちも覚悟するしかありませんでした。

一人暮らしの飼い主の方が亡くなられた後、すでに1週間もたっているので生きているはずがないとあきらめていたのに、生きている姿を見た時は「奇跡」だと思い、同時に生命力の強さに驚きました。

それからは名前がわからないので、見た目どおりに「もやし」と名付け、弱ったり元気が出たりの繰り返しでしたが、娘の献身ぶりには親から見ても頭が下がるほどでした。

moyashi02.jpg
↑保護当初の「もやし」

moyashi01.jpg
↑保護から9日後の「もやし」


事情を知っていれば、気持ちが悪くて同情はしても触りたくないのも仕方ない?と思うのですが、それからというもの夜は毎日いっしょに寝て、あふれんばかりの愛情で包んであげたと思います。
娘のこんな一面は初めて目にするもので、普通ではできないようなことを、当然のようにひたむきにやっている姿には、正直おどろくばかりでした。

一時は元気が出て回復しているかのように見えて喜んでいたのですが・・・。
発見されてからちょうど10日目の早朝、娘から「もやしの様子がおかしい。もうダメみたい。」と悲しげな電話があり、急いで駆けつけると生きてはいるものの動けなくなっていたので、みんなで体を撫でながら、「頑張ったね」と声をかけ、不幸を背負って生まれてきたようなこの子が、せめて天国へ召される事を祈るだけでした。

妻の出勤時間が近づいてきたので、私たちが家へ帰った15分後くらいに、娘から「もやし」が亡くなったという知らせを受けたのです。

小さな体で、亡くなられたご主人に幸せを与え、死の間際にも一人立会い、その後も7日間見守り続け生き抜いた「もやし」に対する神様からご褒美の10日間だったのかも知れません。
あれからきっと亡くなられたご主人との再会を果たしていることでしょう。
そう思う事で気持ちが少し楽になります。


---近況報告---
「皐月の花、専科」さんからも気にかけて頂いている我が家の2組の兄弟猫ですが、みんな元気で甘えています。
2階の子供たちは皆揃って体格がよく、NHKのBS放送でたまに放映される岩合光昭さんの「猫歩き」を録画していて、2階のテレビで見せてやるとテレビの前にやって来て猫パンチをし始めます。液晶ガードをしていてよかったです。
2階ではリリが特に甘え上手で、他の子たちより1オクターブ以上高い声で私たちに呼びかけますが、朝はみんなを順番に抱き上げるようにしています。

1階の子供の中ではシロ(オス)だけが特に大きいのですが、甘えん坊で夜寝る時に明かりを消すとよく泣き出すので、数回名前を呼ぶとそばに来てようやく落ち着きます。
ミケは早いうちから私の蒲団にもぐり込んで寝るようになり、私にしか抱っこされません。
キータンはパソコンに向かっている時と猫の缶詰をお皿についでいる時、ピッピッピと小鳥のような声をあげて、私や妻の周りを行ったり来たりします。
1年余り、猫たちとどっぷり生活を共にして、何となく受け入れてもらったように感じています。

まだまだ私は猫に関しては素人なので習性などもよくわかりません。
でも人間と同じ生き物なので、接し方ひとつで猫の姿勢も変わります。
ノラ猫も愛情をもって接すれば目つきがやさしくなっていくのがわかります。
人間のように心の裏表もなく、正直でかわいい生き物です。
そんなノラ猫たちがもっと多くの人に理解され、どこにいても誰からもやさしい気持ちで接してもらえるような世の中になることを、心から願っています。
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テーマ:猫のいる生活 - ジャンル:ペット
番外編    Comment(6)   TrackBack(0)   Top↑

Comment
ご冥福をお祈りします Posted by みかん
もやしちゃん 天国で たくさんの愛に包まれますように
良い人に出会い 安心して眠れた夜をすごすことができて
よかったです
少しでも このような不幸が少なくなることを願い
ご冥福を お祈りします
2013.10.29 Tue 14:20 URL [ Edit ]
Posted by 皐月の花、専科
番外1の続編をアップしていただき、ありがとうございます。
人間を看取った猫の話は、悲しい話ですね。
我が家の猫もノラでしたが今では家族の一員です。
猫を八匹も飼うのは大変で、苦労も多いことと思いますが、
楽しさは8倍、いやそれ以上でしょうか。
これからも時々猫の様子をアップしていただければ幸いです。
(でも皐月がメインですよー)
今後もよろしくお願いいたします。
2013.10.29 Tue 17:24 URL [ Edit ]
みかん様 Posted by 園主
みかん様

心優しいコメントをありがとうございます。
成り行きで昨年から猫を自分で飼うようになった初心者ですが、名前を呼んだらいちいち返事を返すのには、その可愛さに驚きました。
でもほとんどの思いは、表情を見てくみ取らなければならないようで、黙っているだけに悲しいことなどが起きた場合いつまでもひきづってしまいます。

今考えればもっと早くに猫たちを少しでも理解しようとすればよかったと思います。
いっぺんに沢山の子猫たちが家族になりましたが、猫に対する見方も変わりました。

いつもブログをほんのりと読ませてもらっています。
これからも宜しくお願いします。

               長野皐月園
2013.10.29 Tue 23:30 URL [ Edit ]
「皐月の花、専科」様 Posted by 園主
「皐月の花、専科」様

いつもブログを拝見しています。
遅くなりましたが、「春のあけぼの」の新花登録おめでとうございます。
さつきに対する意気込みの強さを感じさせられました。

昨年から猫に関する衝撃的な事を続けざまに体験して、急にたくさんの猫たちが家族になったこともあり、家の中では猫中心のような生活になりました。
そばにいるとどの子も可愛くて、遠出しても猫たちのことが気になって早く帰ります。

でも猫を食べさせていくためにも、さつきはがんばりますのでご心配なく・・・?

私達のような小さな力で、さつき界の中でも忘れられそうになっているさつきの花の美しさをアピールする事によって、裾野が少しでも広がれば、と思っています。
これからもよろしくお願いします。

                   長野皐月園
2013.10.30 Wed 08:04 URL [ Edit ]
Posted by ぴゆう
はじめまして、こんばんは
心温まる話を読まさせて頂きました。

もやしちゃんの短くも精一杯に生きた一生に
胸が熱くなりました。
この子はお爺さんを独り看取ってくれたのですね。
最後にこの子だけでもそばに居てくれたこと
お爺さんはきっと寂しくなかったでしょうね。
外国の病院にも看取る猫がいるそうです。
病院のスタッフが気が付かないうちに亡くなる方の側に必ず居るそうです。
偶然だったとしても、もやしちゃんがそうだったから、
きっと優しい娘さんに看取られたのでしょう。
何か不思議を感じます。

2013.12.24 Tue 22:19 URL [ Edit ]
Posted by
ぴゆう様

温かいコメントをありがとうございます。 
昨年から猫と接し始めたばかりですが、私にとって余りにも衝撃的な出来事が多く、猫だからだったのか?と思っています。

まだ先日からではありますが、何とも言えない不思議な世界に浸らせてもらっています。
私のように文章を読むのが苦手な者でも興味がわき、引き込まれてしまいます。
それに独特の雰囲気を醸し出す挿絵が美しくて大好きです。

「みかん」さんが始まりだったのですが、「園長」さん、「ぴゆう」さんと言い、皆さん雰囲気が似ていて優しさのつながりだと感じました。

これからもよろしくお願いします。 ありがとうございます。

                       長野 嗣 
2013.12.26 Thu 09:37 URL [ Edit ]

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