
愛花(Aika) 中輪

家猫になって すぐの頃のチロ君。
夜の10時過ぎ エアコンを止め網戸にした矢先 その網戸を
こじ開けて チロ君が冒険?の一人旅に出ました。
でも実際は 気の小さい箱入り息子のチロ君が 外猫になれる筈は無く
その夜 私たち夫婦は心配でほとんど眠れませんでした。
キータンも外の世界へ飛び出しましたが 兄弟だけだった中に
テンちゃんやノリちゃんが加わり 兄弟のミケ子にまで八つ当たりして
追っかけ回すようになり ストレスがはっきり見て取れました。
出てしばらくは ノラ猫達から追っかけ回され 随分と傷も負って
いた様ですが それでも家へ戻ろうとはしませんでした。
キータンと比べると チロ君はお人好しキャラで 外猫だった
子供の頃から 母親の花子さんに取り残され よく一人で盆栽棚の
上で泣いていた思い出があります。
その頃から チロ君だけは抱っこされ 私に懐いていました。
花子さんが交通事故で亡くなった時も チロ君だけが私に抱っこされ
最期のお別れをしたものです。
夜 寝る時に電気を消すと 私を探しているのか?寂しそうに泣いて
いるので 「チロ君!」と何回か呼ぶと私の布団へやって来ます。
そんなチロ君に冒険などできるはずも無く 帰りたくても 何もかもが
怖くて帰れない!と言うのが現状だったみたいです。
1泊2日の旅は 孤独と空腹でつらい旅だったようです。
2日目の夜も諦めていた時 部屋の外からチロ君が悲しそうな声で
私の部屋の方へ呼びかけていました。
呼んでも来ないので 他の子達が入れない様に部屋に入る戸を閉め
和室の網戸を大きく開け 餌を2か所に置いて待つことにしました。
その後 妻は声の聞こえる方の窓の網戸を開け 「チロ君!」と何度も
呼んでいたら 窓の下の室外機を伝って 部屋に入って来たそうで
チロ君の冒険の旅は 苦い経験と共に終わりました。
部屋に入ってからは まず水のがぶ飲みでした。
今回は母親の力を感じましたね。
私への方が懐いている筈なのに 妻の声を聞くと安心するのでしょうね。
寝る時は 一晩中 何度も私の存在を確かめるように傍にやって来て
寝転んだり甘えたりしていました。
改めて チロ君(他の子も)の存在の大きさに気づかされる出来事でした。
それまで ガムテープで開かない様にしていましたが 次の日に慌てて
網戸ストッパーを買って来て 取り付けました。

まだ外猫でベランダに花子さんと暮らしていた頃の三兄弟。

外猫になってしまったキータン。一番の甘えん坊でした。

ミケ子はクールで 運動神経抜群でした。

今よりもっと白くて「シロ」と呼んでいたチロ君。

いつも母親の花子さんと一緒でした。

6歳になったチロ君。

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