園主の独り言【皐月専門誌から最新情報を得る&おまけ写真】
店の入り口で咲いていた「皇帝ダリア」も、冬の到来で花が終わりました。今年は自分の時間をたっぷり持てたので、たまりにたまっている最新花の手入れに追われ、右肩が痛くて毎日シップを貼っている状態です。
こうしてさつきを手入れしながら改めて見ていると、盆栽はたとえ花物であっても、美しく見せるためのセンスが必要なんだなとつくづく思います。
以前よく遊びに来られていたお客様で、頃合いの良い小品盆栽の新木を購入されていたのですが、その方は片方の腕を失っておられ、どうやって手入れされているのか?不思議に思っていました。
ある時さつきの配達を依頼され、初めてお棚を拝見することになり、きれいに手入れをされた小品盆栽に驚かされたものです。
多めにつけてある枝を短く追い込み、鋏だけでの正確な切込みによる独自の作りは、センスの良さそのものだと感心するばかりでした。
小品盆栽の雰囲気と言うものをよく呑み込んでいらしたのだと思います。
何事もそうだと思いますが、盆栽もセンスを養うには、全国のハイレベルな展示会や個人の作品等を数多く見る事が大切で、それには「さつき研究」等の専門誌を意欲的に読みあさるのが一番簡単な方法だと思います。長期間購読していると、あまり変わり映えがしないような気になりがちですが、毎年ものすごい数のさつきを撮影され、その中から厳選して掲載されているので、品種や樹形も時代と共に少しずつ変わってきていることに気付くのではないでしょうか。
沢山の写真を見ていると、その中に参考になる樹形も見つかるかも知れません。数年前に他界されたお客様で当園の愛好会の中心的存在だった方は、出版されたほぼすべての盆栽の本を購入されていて、亡くなられる少し前までいつも枕元に数冊を積んでおかれたそうです。
その方は根っからの盆栽好きで、表面的には控えめな方でしたが、盆栽センスの良さとその姿勢は会員さんのだれもが認めるところでした。
沢山の新しい写真を見る事によって向上心を掻き立て、盆栽センスを身につけてこられたのでしょう。時代の流れと共にいろんなものも押し流されてしまったような気がします。
そんな中で、これまで私の周りには常に数人の価値観を共にするお客様がいらして、どんな時でもぶれる事無く支えてきてもらった事は、とても幸運だったと思います。

↑皇帝ダリヤ

↑明翆(MEISUI)

↑幸の輝(SACHI-NO-KAGAYAKI)

↑鹿沼の輝(KANUMA-NO-KAGAYAKI)

↑三彩(SANSAI)

↑紅子(BENIKO)
【おまけ(最近の猫写真)】
<2階の猫達>

↑視線の先は生まれ故郷(空き家)

↑舌を出しているリリちゃん

↑兄弟で仲良く遊んでいる
<1階の猫達>

↑シロ

↑ミケ

↑きーたん

↑テンちゃん(新しい仲間が増えました)