私にとって今年最大の出来事は…
やはり日本皐月協会に最新花「なお姫」を登録させていただいた事でした。その「なお姫」は今ちらほらと花が咲いています。
花弁の厚さと純白の花底ににじむ濃い緑は、個性的で来年こそは素晴らしい花をお見せできると思います。
さつきを取り扱い始めて40年近くなりますが、一時は盆栽作りの技術ばかりを考え、一番大切であるはずの花は「消毒をすれば咲く」程度にしか考えてきませんでした。
それが最新花に力を入れ始めて、さつきの花の素晴らしさを再認識すると同時に、花を咲かせる事の難しさにも気づかされました。
特に大輪系の花を、長尺樹形の下から上まで全体に最高の大きさで咲き揃えるというのは至難の業です。
品種次第では、夏の日当たりの管理状態や肥培管理によっても、花つきや花色が違ってきます。
「白馬」や
「渓那」等は咲き揃わせること自体が難しく、
「桃源郷」は秋は肥料を効かしていても薄い色や底白が出るのに、花時は
「金采」と同じような花になってしまいます。
実力を引き出すことの難しさだと思います。
根詰まりをさせない事や消毒薬の散布を徹底する事は、すべてに共通した大切な作業だと思いますが、肥料、剪定、植え替えに関しては奥が深いようです。
10月から3月までは水はけの悪くなったさつきの植え替えと新しく入って来る新花の植えつけに追われ、両肩はこりっ放しです。
それでも
「来年こそは品種が持っている実力を最大限に引き出さなければ!」と、気を抜く事はできません。
それでは「秋季展」の作品と、これまでにお客様の驚きがあまりにも印象深かった
「紫慕情」の美しい花をご覧下さい。

↑真如の月(SHINNYO-NO-TSUKI)

↑千代の誉(CHIYO-NO-HOMARE)

↑華の司(HANA-NO-TSUKASA)

↑八咫の鏡(YATA-NO-KAGAMI)

↑明美の月(AKEMI-NO-TSUKI)

↑2011年度秋季展 展示風景

↑紫慕情(MURASAKI-BOJO)