会員さん達の協力のもと、毎年恒例の長野皐月園愛好会主催の「秋季皐月展」は11月20日~23日まで開催され、無事終了しました。出品された作品には、「秋季展」らしく、最新花の盆養木の他「ヤタの鏡」や「大盃」等、旧花の大型盆栽も有り、少数ではありますが変化に富んだ内容でした。
花季展と違い、さつき愛好家以外は殆んど来園されないものの、この時期に観に来られる愛好家は相当熱心な方達で、気を抜くことはできません。
今回も地元の新聞
「有明新報」から、きれいなおねえさんが取材に来られ、写真入りで記事が掲載されました。
いつもありがとうございます。
最近では特に「最新花」に力を入れ、花を咲かせる事に一生懸命で「秋季展」の開催に気が重くなっていたのですが、会員さんからすれば年2回の緊張は必要で、さつきと真剣に向き合うためにも、
燃え尽きるまで継続しなければならないと思っています。それでは今年の「秋季展」の作品をご覧ください。

↑前景

↑寿光(JUKO)

↑新大盃(SHIN-OOSAKAZUKI)

↑美裕(MIHIRO)

↑八咫の鏡(YATA-NO-KAGAMI)

↑大盃(OOSAKAZUKI)

↑大盃の光(OOSAKAZUKI-NO-HIKARI)

↑星の輝(HOSHI-NO-KAGAYAKI)

↑貴公子(KIKOUSHI)

↑如峰山(NYOHOUZAN)

↑昴(SUBARU)
樹作りの難しさ、奥深さは愛好家なら誰もが知るところでしょう。でも花を咲かせる事に関しては消毒をしていれば咲くものだと思い、咲いた花のレベルまで考え、もっと良い花(大きさと質)を目指す人は少ないのではないでしょうか。
盆栽型のさつきなら写真を見れば、迫力まではわからなくても立派さや美しさは感じ取る事ができます。
花物の場合、色彩や花形はわかっても実際の花の大きさまでは知る事ができず、特に
大輪系に関しては
自分で咲かせた花がどの程度のレベルか?を考える愛好家さえ少ないと思います。
幹回りが10cmにも満たないような長尺の最新花の枝を広げて葉張りをつけたり、針金をかけて盆栽風に小枝をのせたりして良い花が咲くとは思えません。
花物はあくまでよい花を咲かせるための枝を残し、花を見せる事を最優先と考えた場合、決まった正面も不要で花が咲いた時に一番見せたい所を正面にできる樹型が必要となり、鉢の形も当然のように丸型が最適だと思います。
「海ほたる」が登録された頃、花の美しさに魅かれ4~5年生の苗を仕入れました。
初めて咲いた時、花の大きさは中輪程で咲き分けなのに何とも魅力が無く、買って頂いたお客様には気の毒で、期待外れにがっかりしていました。
次の年、展示会の作品を会員さんの家まで預かりに行き、たまたま咲いていた「海ほたる」の美しさに目を見張りました。
昨年とは花の大きさ、張りが違い別物のように
豪華で美しい花が咲いていたのです。
その時は偶然そうなった…という感じでしたが、
いつでもそんな花を咲かせる技術を身につける事ができたら素晴らしいと思いませんか。
そんな名人がいるのです。
今年名人と言われる方が咲かせた花を初めて見せて貰いました。
同じ品種の兄弟木を展示会に出品されている所に、関東から送られてきたさつきはすべてがとても同じ品種とは思えないほどの花の大きさで、そこに居合わせた会員さん達(私を含め)は、まさに度肝を抜かれ、言葉も出ないほどの衝撃を受けました。
凄い花を咲かせるのは紛れもなく技術だと言う事を思い知らされた瞬間でした。
会員さんの中には「あんな花を咲かせるのは不可能だ」と悲観的になる人もいました。
確かに簡単な事では有りませんが、どこまで近づけるか?…
目標は出来たと思います。
さつきの花の可能性や楽しみ方は品種の数を考えても無限ではないでしょうか。
盆栽と同じように本気になって挑戦するだけの魅力があるのに、気づかないさつき愛好家が多いようです。さつきにあれほどのきれいな花が咲かなかったなら、
「さつきブーム」と呼ばれたほど多くの人々を魅了する事もなかったはずです。
美しいさつきの花は、商売として取り扱っている者さえ楽しませてくれるのです。
お客様同様、私も開花時期には普段より1時間早く目が覚めてしまいます。

↑海ほたる(UMIHOTARU)

↑蓮月(RENGETSU)

↑紫苑(SHIEN)

↑翠香(SUIKA)

↑君子(KUNSHI)

↑上の山小町(KAMI-NO-YAMA-NO-KOMACHI)

↑天使の翼(TENSHI-NO-TSUBASA)

↑美裕(MIHIRO)