以前お客様からの注文で仕入れた最新花「千羽鶴」が余りにも変わった花で、その色彩は
純粋な皐月の中で一番黄色に近いと思われる白色。それが時間の経過と共にグリーンへと変化し、極小輪でありながら不思議な魅力を持った品種でした。
その後、伸びの悪いこの品種を1年余分にかけて丈を伸ばした良い苗が手に入ったと、仲間の方から連絡が有り、曲付けもその方に依頼し数本手に入れました。
写真うつりが悪く、必ずしも10人好きのする花とは言えず、余り売れませんでした。
しかし、花同様葉も小さく芽吹きも良く、盆栽に向く品種だったので、売れ残った数本の苗の下枝をすべて落とし、
文人風に仕立てることとしました。
幸いにも計算され尽くしたような美しい曲付けをして頂いており、皐月の文人木にとって
1番大切な幹に傷をつけないように、芽が小さいうちに手ですごきながら育ててきました。
この木は手に入れてから約3年が経過した6年生で、当初双幹樹形にしていたのですが、正面近くから出ていた子幹がどうしても気になり、最近になって外したので足元に傷を作ってしまいました。
まだ若木なので傷の回復も早いと思われ、気にはしていません。
苗からここまで鉢のみで育て、年数の割には細いのですが文人木にはこの方が向いていると思います。
写真「千羽鶴」樹高86cm幹回り5cm
