盆栽ひとすじ40年の園主のコラム&ワンポイントアドヴァイス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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「 2008年07月 」 の記事一覧
ワンポイントアドバイス(その13)
![]() (写真)那須野 盆栽界の常識では、考えられない様な速さで皐月愛好家が増加してきたのに、良い花を咲かせるための、年間を通しての具体的な作業等を、専門の人が本音で教えて下さるような本は、あまり見かけなかったように思います。 これまで、皐月が余りにも人気があったため、本場の卸売業者の方達は沢山の知識を持ちながら、周囲の皐月屋さんとの販売競争に勝ち抜くために、農薬一つにしても種類や使い方など、皆知っておかねばならない事までも、秘密にされていたと聞きます。 他にも、剪定や植え替えの方法など、今でも公にされない部分は多いのではないかと思います。 私も商売をしているので、その知識がいかに大切な宝であるかは理解しています。 しかし別の理由として、皐月の世界では長年やっておられるベテランが多く、我々業者が良かれと思ってお勧めしても、業者によっての意見が異なる事も有り、素直に聞いてもらえないと言う実情もあるようです。 地方にある私の店では、お客様のさつき離れを防ぐためにも、自分の経験や本場の業者の方達に教えて貰った知識を、隠すことなくさらけ出しています。 特に熱心なお客様等は、私より小まめな作業をされ、立派に持ち込まれています。 技術的な事はさて置き、農薬の散布に関してはその種類によっても効果に違いがありますが、月に3回以上散布されていても、グンバイ虫などが来てよく虫に食われるという方は、簡単に言うと散布される量が少ないのではないかと思います。 農家においても、他と同じ種類の農薬を散布していてあまり効果がないと言われる時は、そのほとんどの場合、量の不足が原因だと聞いています。 私は皐月の消毒用として、400ワットのモーター式動力噴霧器を使っています。 お客様も多くが、私の勧めで、その下の200ワットの方を使っておられます。 また、消毒の効果が弱いと言われるお客様では、10リットル位のタンク付き電動噴霧器をお使いの方が多く、しかもノズルを絞って細かい霧の状態で散布されているらしいのですが、どんなに丁寧にかけてもモーター式に比べれば、2分の1から3分の1程度の量にしかすぎません。 私はモーター式で散布する際もノズルを目いっぱい絞らず、少し開いた状態で散布し、農薬が葉からこぼれ落ちる位たっぷりとかけています。 殺ダニ剤を散布するときは、更にしつこく、普段の1.5倍くらいの量をかけます。 農薬の種類については、住宅地の中と言う事も有り、劇薬は出来るだけ使用しません。 殺虫剤は、オルトラン水和剤やスミチオン乳剤等の、ごく一般的な普通薬に展着剤と殺菌剤を加え、量と回数を多く散布することによって、十分な効果を得ています。 オルトラン水和剤やベンレート水和剤などの粉末を使用する時は、直接水で溶いても溶けにくいので、その前に小さな器に入れ、ポットの熱いお湯をかけて混ぜています。良く溶けるので、そこに展着剤を加えた後、水で薄めるようにしています。 この時期は、消毒と水やりが大切なので、猛暑に負けないで頑張りましょう。 スポンサーサイト
テーマ:花と生活 - ジャンル:趣味・実用 園主の独り言【最新花「海ほたる」から読み取る心得】
![]() 最新花「海ほたる」 つい先日、本場の同業者の方とお話しをしたのですが、品種の持っている特徴(美しさ)を最高に引き出すことの難しさを、今更ながらお互いに痛感しました。 つい最近まで、蕾をたくさんつけることや、開花時期に花を腐らせないように消毒したり、摘蕾をするだけで、何となく花を咲かせてきたのかな?と思ってしまいます。 今から4年ほど前、「海ほたる」を会員様が買われました。 その年に咲いた花は木が若く、植え替えた事もあり、色は出たものの本来大輪の筈が中輪でこの程度なのか?とお客様に気の毒な事をした、とさえ思っていました。 所が翌年、そのお客様が喜び勇んで「海ほたる」に凄い花が咲いたと言ってこられたので、見に行くと、花弁は去年の1,5倍ほどの大きさがあり、色彩も強烈で、見違えるような美しい花が咲いていたのです。 考えてみるとこのような現象はほとんどの種類に見られ、どれくらいの愛好家の方々が、本来の花を咲かせて見られているのか、疑問を感じてしまいます。 いかに最新花と言えども、苗の間は力不足なのと花数が少ないので、本領を発揮するまでには至らず、数年持ち込まなければならないでしょう。 また同じ品種であっても、持って生まれた花性はそれぞれ異なり、ある程度確認されているものを求めておくことも、最新花においては大切なことだと思います。 同じ品種が何本もいるわけではないのですから。 今年の「さつきフェスティバル」で農林水産大臣賞を受賞した「海ほたる」は写真しか拝見していないのですが、実物はそれ以上に見事だったと聞いています。 見に行かれた多くの方が「こんな花は見たことがない」と驚かれ、その後「海ほたる」を求められるお客様も多数いらしたそうです。 最新花は実物を咲かせて見せないと、その本当の魅力を伝えることはできません。 それには、まず業者の方たちが、もっと花を理解して、売るのが惜しくなるくらいの見事な花を咲かせてお客様達にお見せすることが必要だと思います。 現在では、「海ほたる」の他にも、かつてなかったほど多くの素晴らしい最新花が出現しているのに、どの品種がきれいなのかあまり知られていません。 このままだと、どんなに美しい最新花であっても、その多くが愛好家に理解されることなく消え去り、ほとんどの実生家の方々の夢も報われないままになる事でしょう。 とても残念だと思います。
テーマ:和風、和物、日本の伝統 - ジャンル:趣味・実用 園主の独り言【花を咲かせる】
花を咲かせてみて思うのは、やはり皐月は盆栽界の中では異色の存在なのだと。
花が咲いていなくても、盆栽として素晴らしい銘木は沢山有り、その作りも他の樹種に比べ多種多様で、ほとんどどんな樹形にだって創作することができます。 しかしそれ以上に皐月が持つ魅力とは、当然ですがやはり花だと思います。 品種や花色の出方、「金采」等は花形によっても、その価値が大きく違ってくるのも、皐月ならではの特徴でしょう。 最新花の少し大きくなった、長尺模様木等を、手元で花を咲かせてみるとそのことに納得できるはずです。 なるべく多くの方に見てもらいたくて毎年咲かせているのですが、美しい花を求めて見に来られる皐月愛好家が、開花時期においても少ないのは大変残念でなりません。 九州では、業者の中でも花に力を入れている人は少なく、皐月愛好家を増やしていく原動力にはなっていないようです。 皐月の商売をやっている人が花の魅力をアピールしなくて、広がるはずは有りません。 皐月は品種によって花の咲き方に決まりごとがあり、それを理解しなくては、立派な樹形も無駄になる事さへあるのです。 「大盃」等は、花は同じでも葉性によって、価値が違ってきます。 まずは美しい花を咲かせてみましょう。その品種が持っている魅力を最大限に引き出して、今までに見た事もないような美しい花が咲くように、頑張ってみませんか。
テーマ:花と生活 - ジャンル:趣味・実用 園主の独り言【秋季展への思い】
さつきブームと呼ばれたほど物凄い勢いで伸びてきた皐月業界も、その中を必死で生きてきた私にとっては、今になってようやく「あー、そうだったのか」と当時の状況が少し見えるくらいで。
まっただ中にいる時は、商売にも、生活にも余裕など全くありませんでした。 いつも「こうして一生懸命やっていれば、いつか日の目を見ることができるだろう」と思いながら、店の格質を上げるために、お金さえあれば少しでも立派な皐月を買い込みました。 いま思うと、この頃もう少し商売と言うものを分かっていたなら、よくも悪しくも私の人生は変わっていたのかな?と思ったりもします。 当時にすれば、これがベストだと判断してやっていたのだから、悔いが残るものではありません。 私が大牟田で皐月園を開園した頃には、「大牟田さつき会」と言う趣味の会が存在していて、全盛期には会員数70名を超えるほどの勢いだったと聞いています。 少し遅れて私もお客様達と共に会を立ち上げ「皐月花季展」を開催するようになりました。 「大牟田さつき会」とは全く異なるメンバーの集まりだったため、すぐに目の敵とされ、はじめはかなり馬鹿にされていて、面と向かって嫌みさえ言われた事も幾度となくありましたが、負けまいと必死になったものです。 しかし年に数回関東へ皐月の仕入れに行く中、そんな小さな感情などどこか遠くへ吹っ飛ばされてしまうような皐月や人々との出会いが、すぐにやって来ました。 それまで太さの割に高価で売れなかった、筋の良い木をお客様が買って下さるようになってきたのです。 一流の眼と技術を持った人たちとの出会いも、私自身の皐月に対する姿勢を大きく変える事となり、まさに目からウロコの状態を何度も味あわされる結果となりました。 そんな中、満を持して開催したのが1986年11月の「第1回秋季皐月展」でした。 それまでは「花季展」しか開催したことがなく、花の咲いていない時期に、盆栽としての皐月をお見せするなど、とても大それた事のように思っていました。 しかしようやく手ごたえを感じ、私なりの自信を持てるようになったのです。 この時の作品を、会員の方に写してもらい月刊誌「さつき研究」に送った所、翌年の5月号にすべての作品を、なんと2ページにわたってカラーで掲載していただき、大きな反響を呼ぶことができました。 それにしても、無名に等しいような存在だった私ごときが勝手に送りつけた写真を、あれほど立派な形で取り上げてくださった、「栃の葉書房」様には今も感謝しています。 お陰さまであれから昨年まで、毎年欠かさず開催することができ、昨年の「秋季展」の作品も「さつき研究」7月号に8点ほど掲載していただきました。 大牟田では、炭鉱の閉山を皮切りに、会員の高齢化や高齢者の負担増し等、皐月を取り巻く環境は厳しさを増すばかりです。 それでもせっかくここまで築き上げてきたのですから、やれるところまでやるだけだと思っています。 ![]()
テーマ:和風、和物、日本の伝統 - ジャンル:趣味・実用 ワンポイントアドバイス(その12)
今年の梅雨は雨が多く、少しくらい深切りをしていても芽が吹きやすいのではないでしょうか。
しかし、その分病害虫の発生も多くなりそうなので、消毒液の散布を怠らないようにしなければなりません。 梅雨の合間に、殺虫・殺菌剤の散布をすると、蚊にも効果があり、4?5日は余り見かけなくなるようです。 芽摘みに関しては、目的に応じた切り方があり、人それぞれやり方も違い、一概に言う事は出来ないようです。 しかし花物に関しては、これまでの経験から、樹幅をつけないように追い込んで、特に下枝は強くなるので、張らせないように切りつめておいた方が良さそうです。 品種にもよりますが、樹冠部になるべく大きな花を咲かせるためには、下枝や差し枝を張らせずに、全体的に細目に仕立てた方が、花の大きさが揃いやすく、場所も取りません。 来年良い花を咲かせるために、今のうちに要らない枝を付け根から切り取り、張りすぎた枝は追い込んだりして、 色彩を調整するための剪定も、花色を確認しているこの時期の大切な作業だと思います。 そうしておいた方が、夏の水やりも楽です。 私は、花後に以前のような全体的な強い芽摘みは行っていません。 それより水を上げさせるために、小枝を多めに残しておくようにしています。 ****** ![]() (↑クリックして拡大) この写真は、最近熊本県で撮影した【古代ハス】です。 本文とは全く関係ないのですが、あまりに美しかったので掲載します。 花の時期も終わり、サツキを撮影する機会も減ったので、たまに日常で見かけた面白いものを撮って載せていこうかと思います。 お気軽にコメントいただけると嬉しいです。
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