盆栽ひとすじ40年の園主のコラム&ワンポイントアドヴァイス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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「 2008年03月 」 の記事一覧
ワンポイントアドバイス(その6)
皐月の手入れに関しては 実際に自分で管理をしていると、ずっと以前に先輩方や本などで教えて貰っていた事と、違ってきているように思います。
基本的には樹勢を落とさないようにすることを第一に考え、管理をしています。 以前は花後に植え替えをして、よく樹勢を落としたり枯らしたりしたので、植え替えに苦手意識さえ抱いていました。 しかし、今では作業の時期を秋口から春先までの間に変えています。 根のさばき方も一般的な植え替えでは、なるべく根鉢を崩さないように注意しています。 安価で歯の荒いノコギリ等で根の厚みの3分の1から2分の1くらいを切り落とし、回りも4角に切りさらに角を切り落とし、8角形にして、表面の肥料などで汚れた土を掻き落とし出来るだけきれいにしてやります。 根の間の苔や枯葉は要らなくなったお箸などで掻き取り、巻き根やじゃまになる根も切り外し整理します。 この時、根であっても切り口には、必ず癒合剤を塗っておきます。 以前は根の底をおわん形にくりぬいていたのですが、木を弱らせるだけなのでやめた方がいいと思います。 鹿沼土は硬質ふるい分けで、中粒を鉢底に少し厚めに敷き、根の触れる部分から表面までは小粒を使用します。 使用する割合は、鉢の深さによって変えています。 長尺樹形や薄鉢を使用する場合は、1.5ミリ位のアルミ線で鉢穴から固定します。 皐月の剪定も、植え替えの時期とほぼ同じような時期に行っています。 以前は花後に強い芽摘みを行っていたのですが、今では軽い芽摘みや枝抜きをする事はあります。 が、ほとんどの木は春先までに剪定を済ませ、花後は切り込まず、夏に向けて樹勢を落とさないよう心掛けて培養しています。 花物は花が咲いている時、咲き分けのバランスが良くなるように切っておきます。 これから開花に向けて大切なのが消毒です。 3月のうちに殺ダニ剤の散布を済ませ、1週間後位からオルトラン水和剤とベンレート水和剤の1000倍液にダイン等の展着剤を加え4月の中旬までに2?3回、それ以降は5月の中旬まで週に1度くらいの割合で、雨と風のない早朝か夕方に散布します。 薬剤は他にもスミチオン乳剤(開花後は良くないようです)や花腐れにはバイレトン水和剤なども効果があるようです。 早咲きの花が沢山開いていてもベンレートやバイレトンならシミの入る心配は有りません。 栃木の業者の方で皐月が開花し始めたら、雨が降るたびに、殺菌剤をかけるという人もいました。 それともう一つ大切なのが、ナメクジの駆除をしておくことです。 市販の駆除剤を開花前に鉢の上ではなく、鉢を置いてある棚の上に、晴天の日の夕方のせておけば夜のうちに鉢底から、なめに来るので退治することが出来ます。 ナメクジは花を食べ、這った所にはシミが入ります。 摘蕾もなるべく早めに終えておきましょう。 木が弱っている時や、根洗いを行った時は、蕾をすべて落とし、花は咲かせない方が無難です。 施肥は5月の初めまでに2?3回行っています。 私は成分のバランスが良い、「なるこ有機」を適量ずつ与えています。 一般的な植え替えを行った木には、約2週間後に少なめに与え、根洗いをした木は秋まで与えない方が良いでしょう。 また、弱っている木には樹勢が回復するまで与えない方が安全だと思います。 以上のような事に注意して、今年は最高の花を咲かせて楽しんでください。 スポンサーサイト
テーマ:和風、和物、日本の伝統 - ジャンル:趣味・実用 お気に入りの1本【晃山】
先日手入れを終えた、私のお気に入りの一本である「晃山」です。
![]() 幹周り:38cm 樹高:45cm ![]() 近影 本来なら、輪花型か正方隅切りの半懸崖鉢等に入れれば良かったのではないかと思われますが、まだ素焼き鉢で培養しているため、木の良さが最大限に生かされていません。 この木は、今から10年程前にある業者の方から譲り受けたもので、それ以前は新木でありながら、畑でKS氏によって長い間ハサミを入れられていたものだと思います。 新木の時点で、多くの立ち枝とあしらい枝を付けていて貰えば、自然風で味のある盆栽が作りやすいかとも思われますが、普通なら切り落としてしまう枝でしょう。 枝元の古さを生かし、木の流れをはっきりさせる事に注意を払い、自分なりに約10年間作り込んできました。 2年ほど前、寒さのために足元が皮離れを起こし、少し痛々しさもありますが、早めに処理をしているので、そのうちに直るものと思います。 この先は、右1の枝にもっと古さと力強さが加わるよう持ち込んで、さらに樹格を向上させたいと思っています。
テーマ:和風、和物、日本の伝統 - ジャンル:趣味・実用 ワンポイントアドバイス(その5)
皐月の仕入れで栃木へ滞在していた時、K氏が日本中の皐月仲間と、料亭を借りて、皐月の飾りの世界を楽しみながら探求しているというお話を伺い、とても感銘を受けました。
実際に「さつき研究」でも、その催しが取り上げられ、写真つきの記事が掲載された事があります。 帰宅後、親しいお客様たちにその事をお話ししながら、「私たちの会でも、いつかはそんな贅沢な楽しみ方がしたいものですね。」と夢を膨らませたものです。 皐月盆栽をやっていて、花を楽しみ、木作りに励み、美しい花や、立派な樹形の皐月を手に入れるだけでも刺激的な事だと思いますが、それらを最大限に生かす飾り付けをする事によって、もっと奥深い世界を楽しめるのではないでしょうか。 決して格好の良さを見せつけようとするのではなく、盆栽や下草などを並べることによって、季節と共に自然の景色を表現し、その姿に説得力が強ければ強いほど、結果として格好よく映るのではないでしょうか。 「景道片山流教本」盆栽編夏の部に、五葉松の幹自体が垂直に落ちた懸崖樹形と素滝の掛け軸との組み合わせがあります。 下草も置かず、すっきりとした飾りでありながら、迫力があり、そのすべてに美しい日本画を見ているかのような景色を連想させられる作品です。 盆栽の持つ芸術性とその味わい方の手本になるものだと思います。 はるか遠く及ぶべくも有りませんが、私たちは、持てる力で皐月盆栽を楽しみながら作りこみ、出来る範囲でより良い飾り方を目指したいと思っています。 玄関や床の間に皐月を飾る時、下草を添えるだけでも、感じが変わるのではないでしょうか。
テーマ:和風、和物、日本の伝統 - ジャンル:趣味・実用 園主の独り言【皐月を愛した人々】&皐月展示会予告
皐月を育て楽しむ事は、すばらしい趣味だと思います。
だからと言って、仕事として考えると、見た目には趣味と実益で理想的に思えるかも知れませんが、そんなに甘くないのが現実です。 人を楽しませる仕事は、殆どがそうなんじゃないでしょうか? 初めは商売のことしか考える余裕がなく、お客様に皐月を買っていただくだけの仕事だったのが、すぐにそれだけでは続かなくなることに気付いてきます。 もともと必需品ではないものを売るのですから、私自身が夢中にならなければ説得力がないでしょう。 この仕事を始めて20年くらいは、枕もとに「さつき研究」等の皐月の本数冊を置き、ほとんど毎晩、寝る前に読みあさりました。 商売をやっているからだけではなく、つい見たくなってしまうのです。 古くからのお客様で、中村さんと言う方は、市販の皐月の本は販売と同時にほとんど買われていて、私同様、夜ごと読まれていたそうです。 一回目の心筋梗塞で倒れ救急車で運ばれている時も、ほとんど無意識の中、「皐月に水はやったか?」とつぶやかれていたそうで、お医者様からは「皐月に助けられたね」と言われたそうです。 まだ退院する前だというのに、もう我慢できないとばかりに、皐月を買いに来られる様な筋金入りの皐月馬鹿でした。 中村さんとは30年来の付き合いで、私の両親とよりも長くごいっしょさせてもらったのではないでしょうか。 私から見れば大切なお客様であるにもかかわらず、同年代の上藤さんと言う方とともに、3人の子供たちが二十歳を過ぎるまで、正月になるとお年玉を下さっていました。 皐月に関しては、木作りが好きな中村さんは、小品盆栽や文人木を特に好まれていましたが、新花の花物にも興味を持たれ沢山寄せられていました。 盆栽センスも良く、特にハサミでの切り込みの鋭さには、いつも感心させられました。 一方の上藤さんは、旦那さん風で、ある程度出来上がった良い木が好きで、手入れもほとんど私に任せていらっしゃいました。 善意に満ち溢れた立派な方で、どこまでも信頼できる人格者です。 その上藤さんは、昨年よりお身体があまり自由にならず、店に来る事が出来なくなられたので、私の方から月に一度くらいお邪魔しています。 中村さんは平成17年5月の中旬、まさに皐月の開花の中、皐月三昧の人生を終えられました。 花季皐月展前日の準備中に、奥様からの訃報が届き、親の時以上に泣いてしまいました。 それでも年に二度の皐月展示会は、残られたお客さま方の努力とご協力によって、毎回立派に開催させていただいています。 そんな中、今年の長野皐月園愛好会の花季展は「5月23日?26日」の期間、当園にて開催する予定です。 小さな展示会ではありますが、会員の方々が手塩にかけて育てた皐月を見ていただきたく、たくさんのお客様の御来園を会員ともどもお待ちしています。 (連絡先)0944-57-2444 もしくはメールフォームより、メールでお尋ねください。 長野皐月園愛好会 長野まで
テーマ:和風、和物、日本の伝統 - ジャンル:趣味・実用 園主の独り言【影響を受けた人物 その4】
皐月の新花を語る上で忘れられない方がいます。
数種類の有名な新花を登録されていますが、実生家でもなく、盆栽作家とも違うのです。 それでも皐月生産者として、最新花や模様木の発展に大きく貢献された方だと思います。 小柄な体形でありながら、栃木の方なのに、まるで江戸っ子のような気っ風のいい口調で、向こうっ気の強そうな方でした。 人の話をよく聞き、どん欲なまでに、地方や多くの人の皐月情報を集め、商売や生産に生かされていました。 皐月の苗の曲付けも、人がやったのでは気に入らず、自分で納得のいく強い曲げで、どんなに硬い品種でも曲付けに妥協はしないとおっしゃられていました。 そういえば曲付けの第一人者である、八潮流の塩野谷氏も曲付けには決して妥協されず、折れても1本分の曲付け代金を取られ、「折れるのが嫌なら、折れないような苗木を持ってこい」と言われていたとの話を、伝説的に聞いています。 大きなお寺の生まれで、植え付けをされている圃場や事務所も、お寺の境内にあり、お兄さんが住職を継いでおられたそうです。 とにかく個性的な方で、ここまでお話しすれば、皐月業界の方なら、誰のことか、すぐにわかってしまうはずです。 皐月を太らせる技術は素晴らしく、皐月の品種別に特徴を熟知され、目的別の切り込み方法やその時期など、とにかく研究熱心で、皐月に関する知識の豊富さには驚かされます。 仲間内の人達はその方を、「何の商売をやっても成功する人だ」と評していました。 とても印象深い出来事として、最新花の登録間もない煌陽を仲間内数人に持たせ、日本皐月協会の花季展にデモンストレーションするかのように、展示されたことがありました。 その後煌陽は、並外れた美しさゆえではありますが、思惑どおり、早い時期に最新花のトップとして躍り出たのです。 この方の自信がなせる技であると同時に、先見の明の表れとも言えるでしょう。 生産卸業者と小売業という立場の違いから、論争になった事もありますが、とにかく話をしているだけで楽しい方で、とても勉強にもなりました。 しかし、まだこれからのご活躍を期待されていたにもかかわらず、数年前病気により、惜しまれながら、他界されてしまいました。 最新花の発展と言う面で、大きなダメージになっているのは間違いないでしょう。 最新花の世界を、物凄いパワーで牽引されていた中心的な人物で、スケールの大きな方でした。 今も後輩に頑張るように言いながら、あちらでも皐月を作って楽しんでおられるような気がします。 皐月屋は皐月と離れられないものなのです。
テーマ:和風、和物、日本の伝統 - ジャンル:趣味・実用 ワンポイントアドバイス(その4)
三月に入り、私の住んでいる大牟田市では、皐月の新芽が動き始めました。
なるべく早いうちに、ダニ剤を散布しておいた方が良いでしょう。(ピラニカを除く) ダニ剤を散布するときは、できるだけ他の薬品とは混合しない方がいいと聞いています。 また、同じ薬品を連続で使用すると、ダニはその薬に対して抵抗力がつきやすくなるので、なるべく1シーズンに一回の散布で済ませるようにしましょう。 それには、通常の薬剤の1.5倍くらいの量を作り、かけむらがないように全体に丁寧に、たっぷりと散布する必要があります。 連続で散布する場合は、作用性の異なる他のダニ剤を交互に使用してください。 その後は、殺虫剤と殺菌剤の混合液を定期的に散布します。 肥料をあげるのも、今が適期です。 私は20年ほど前から「なるこ有機」と言う肥料を使っています。 即効性と遅効性の両方の効果を兼ね備え、粒状なので使いやすく、根痛みも少ないので重宝しています。 植え替えを行った木には、根のさばき方にもよりますが、一般的な植え替えで樹勢が落ちてなければ、2週間程度たてば普通より少なめに、施肥をしても良いでしょう。 肥料は直接根に触れないよう注意して下さい。 回数は開花時期までに、2?3回与えています。 以前は肥料によって花が腐るだとか、色々と言われてきましたが、花腐れ病はベンレート水和剤等で予防することができるのです。 勢いよく最大限の立派な花を咲かせるためには、花前に十分な施肥をしておくことも、大切な要素だと思います。 ただし、根洗いを行った時は、秋まで施肥は控えてください。 花も咲かせない方が安全でしょう。 肥料はあくまで勢いのある木に与えるもので、決して活力剤ではありません。 良い花を咲かせるためには、なるべく早いうちに摘蕾を兼ねた芽抜きを行い、木に負担をかけないようにすることも大切でしょう。 切り口にボンドなどの癒合剤を塗る事も、忘れないでください。 開花が近付いたら、特に殺菌剤の散布が大切になります。
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