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盆栽ひとすじ40年の園主のコラム&ワンポイントアドヴァイス
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プロフィール

園主

Author:園主
福岡県大牟田市にある皐月専門店「長野皐月園」の園主。

盆栽業を長く続けているからこそ、アドバイスできること。
思いなどをコラム調につづっております。
手軽でスタイリッシュではないけれど、趣のある昔かたぎな【皐月】の良さを、若い世代にも知ってもらいたい!
30年の間に培ってきた経験を、ネットを通して伝えて行きたいのです。

■2011年5月25日■
【なお姫】
(社)日本皐月協会に新花登録。
(長野嗣 名義)
---

お気軽にコメントください。
質問等も、出来る限りお答えしたいと思っております。
リンクをしてくださる方は、お手数ですがご一報くださいませ。

趣味:パソコン、車、DVD鑑賞など

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宣伝目的、掲載画像・文章の無断転載/仕様等、堅くお断りいたしております。

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2008.02.28 Thu
園主の独り言【魅せ方】
皐月盆栽の飾りには以前から興味があり、30年近く前の皐月の月刊誌で、片山先生が監修された、簡単な飾り方の説明が載っていたので、それを参考にさせていただいていました。

片山先生の景道がいつごろ発表されたのかは存じませんが、多分それ以前の記事だと思います。
そこには絵を添えて、皐月盆栽樹形の基本となる勝手流れについて説明されており、主飾りの流れを受け止めるの置き方についても簡単に書かれていました。

当時はまだ飾りにおける決まり事など知る由もなく、全くの手探り状態だったので、22年前から秋季皐月展を始めているのですが、今でも大変重宝しています。

皐月の花季展においては、花自体が季節を表していて、花を見ていただくことが主体だと考えていますので、飾り方には余り神経を使わず、花の咲き具合に多くの気を使っています。
皐月の花ほど派手な花木が、自然の山野に自生しているはずもなく、飾りを重視するのはかえって不自然で無理があろうかと思うからです。

しかし秋季展では、初回から毎年行っている11月23日前後の気候にだんだんと紅葉しなくなり、皐月自体で季節感を出すのは不可能になってきています。
これも地球温暖化の影響だと思われますが、季節を表す為に山野草を多く添えに使います。

また、花が咲いていない皐月を見ていただくためには、当然盆栽としての優れた樹形が必要となります。
盆栽としての資質が松柏類に劣っているとは思われたくない事もあって、皐月愛好家の皆さんは向上心を持ち、秋季展に向けて日々努力されているのだと思います。

主飾りとなる皐月盆栽を生かすためには、席飾りが重要になってきます。
しかしそれには、出品者の意識の高さが必要で、強く求め過ぎると、せっかくの趣味の楽しさを奪いかねません。
私自身、お客さま方に指導する立場にありながら、まだまだ未熟なので、秋季展を開催しながら、ともに勉強しなければならないと思っています。

今から15年ほど前になるかと思いますが、「そんなに飾りに興味があるなら」と、栃木のK氏が「景道片山流教本・全三巻」と言う三冊の本を譲って下さいました。

昭和61年に発行された、片山一雨氏の解説による、四季の飾りの写真集で
1・盆栽編、2・水石編、3・山野草編
に分けられた非常に格式高い教本です。
飾られている盆栽、花台、添え、掛け軸、更には、それらをあしらった飾り付けや床の間に至るまですべてが、私にとっては、まるで雲の上同然の世界でしかありません。
それでも、せめて感覚のかけらだけでも吸収出来たらと、今でも愛読しています。



盆栽について考えれば、その奥深さは限りがありません。
そんな中で皐月盆栽は、一年間つきっきりで手入れしてきたことへのお礼とも言える、安らぎと喜びを、限りなく美しい花によって与えてくれます。
皐月盆栽に限っては、深く考え過ぎる必要はないのかも?と、ふと思ってしまいます。

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2008.02.25 Mon
園主の独り言【影響を受けた人物 その3】
栃木で様々な模様木を見ているうちに、以前本で見ていた練馬模様木に出会い、その垢抜けた姿に強くひかれてしまいました。

どうしても本場でその姿を見たくなり、東京まで出向いて榎本氏を訪れ、見せて頂いたことが有ります。
当時写真でしか見たことのなかった、長尺で太幹の板橋樹形の古木が鉢に入ってズラリと並んでいたのには、ただ驚くばかりでした。

一本でも凄いのに、全く違う世界に迷い込んだみたいで圧倒された中、お話は聞けたものの、一本の皐月の値段すら聞けずに、それでも満足して帰ったことを覚えています。


それまで、太物と言えば、庭から掘り上げたような自然木が殆どだったので、模様木が年数を経て太くなり完成した姿を目の当たりにした時、それまでの認識が変わってしまいました。

それから暫くして、私の友人が東京へ出て近くに住んでいることをきっかけに、西新井の宝田さんを訪ねてみました。
宝田さんは「趣味の家」の協力店をやっておられ、主に八塩流模様木を取り扱いながら、ご自分でも曲付けをされていました。
園内のどれもが垢抜けていて、これが東京の皐月なのか!と田舎者丸出しで見せていただきました。
お人柄も江戸っ子然とした面倒見の良い方で、ずいぶんお世話になったものです。

その頃注目され始めていた皐月の特小品作りにおいては、スペシャリストとも言える存在で、高さ15センチの制限の中で妥協を許さない、徹底した枝作りは、まさに職人技で、なかなかまねのできるものではありません。

模様木の枝作りにおいても、八塩流の美しい幹模様を最大限に生かす高度な針金掛けの技術を身につけておられ、それを見せられた時、私は自分の技術の未熟さを思い知らされる気がしました。
模様木に使う針金を、アルミ線から銅線に変えたのも、宝田さんのご指導によるものでした。

栃木のK氏やKS氏が厳しい自然の中で、そこに溶け込むかのような自然の姿の盆栽を創作されるのに対し、宝田さんはどこまでも「人工的」で「垢抜けた」、都会的な盆栽づくりをされています。
どちらも、高度な技術と感性の元に作られているのですが、環境の違いゆえか?
全く違ったこれらの作りは、どちらも優れた盆栽であるにもかかわらず、お互い、感覚的に相いれないものもあるようです。

しかし同じ皐月盆栽において、それらの違いが切磋琢磨することによって、素晴らしい作品が生み出されてきたのではないでしょうか。

今では、皐月の世界も2世、3世の時代となりつつあります。
若い人たちの盆栽技術は出発地点が高い分早く上達しているように思うのですが、前述の方達のような、実際の環境の中での経験から、必然的ににじみ出たような感性とそれを盆栽に生かす高度な技術は、習ったとしても簡単に到達できるものではないでしょう。

KS氏の特徴的な作りとして、途中双幹等の従幹は、強風にあおられ弓なりに立ちあがった様や主観が斜めになりながら、どこまでも光を求めて伸びていく姿をよく表現されています。
が、枝先は勿論の事、深い処まで北国の自然の木を観察され、それを皐月作りに生かす技術と感性の鋭さには、好みをも超越した説得力を感じてしまいます。

最近では、盆栽としての美しさを感じさせない自然風樹形や、技術だけに頼った、余りにも人工的で、自然の厳しさを連想しない自然風樹形等が多い中、その分野でのパイオニア的存在として、それらの作りとは、一線を画しているものだと思います。

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2008.02.22 Fri
園主の独り言【影響を受けた人物 その2】
栃木では、K氏のほかにも多くの個性ある方たちと知り合う事ができました。


私が長年にわたって、毎年欠かさず栃木へ仕入れに行けたのも、小林さんをはじめ、たくさんの方たちの助けがあってのことだと、今でも感謝しています。

栃木では地方でと違って、沢山のお客様が皐月を買うことが目的で、お店に集まって来ます。
しかし、その中で生き抜いていくためには、熾烈な争いを潜り抜けなければならない筈で、羨ましくもあれば、恐ろしくもある環境だと思います。

そのような方達だからこそ、皐月に関しては高い知識を持ちながらも、それぞれに個性的な品ぞろえで勝負されています。

その中でも、K氏の紹介で知り合った、KS氏のさつき作りの鋭さには驚きました。

恐らく、K氏の影響が強かったのであろうと思いますが・・・
栃木の厳しい冬の寒さの中で生き抜いている、自然の木々の姿が、妥協を許さず年月をかけ見事なまでに、皐月作りに生かされているのです。

売るための、人に媚びるような所が見られず、究極の自然風皐月盆栽作りの凄さというものを感じさせられました。
見ただけで自然に生息している姿を容易に想像させ、これこそが、まさに床飾りのための皐月盆栽なのだと感動しました。

お二人に共通するであろう作風で、自然の野山に生息している木が、長い年月厳しい環境の中、風雪に耐え忍びながら、太陽の光を追い求めている幹そのもの動き。。。
それに伴う枝先の流れ等、自然を表現した厳しい作りは、皐月の世界では他に例を見ないものだと思います。
皐月盆栽における、途中双幹という表現も、K氏に初めて教わりました。

今では当然のように、お二人はそれぞれに、飾りのための展示会を主宰されていて、「月刊さつき研究」の誌面ではありますが、毎年拝見するのを楽しみにしています。


このような自然風の作りは、山へ行った時などに、自然の木を参考にされているのだとお聞きしています。
しかし私が住んでいる福岡の大牟田市では、厳しい自然はなく、参考になるような木も余り見当たりません。
それも感性が育ちにくいひとつの理由なのかも知れません。

それでも、それなりの違った木を作れるのがプロなのでしょう。

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2008.02.21 Thu
園主の独り言【影響を受けた人物】
皐月の仕入れをするために、初めて栃木へ行ったのが、32年前のことです。

初めは、ただトラックいっぱいに皐月を仕入れることで、一生懸命でした。


好月山の光など、幹回りが10センチもあれば太い方で。
洒落た木筋なんてわかりもせず、木の高さと太さが値段の基準と考え、仕入れていました。

しかし少し慣れてくると、皐月を見る目が変わってきます。

皐月を選ぶ場合、どんな樹形においても、品種というのはとても重要です。

同じような木でも品種によって値段が大きく変わってくるのと、愛好家にとっての魅力も全く違ってしまうからです。

皐月愛好家で、特に太物盆栽をやっておられる方の中に(九州に限って?かは知りませんが)花には興味がないから蕾のうちに摘んでしまって、花などほとんど見たことない。と自慢げにおっしゃる方がいます。

しかしそんな方に限って、品種についての強いこだわりを語られるのです。
皐月をやっていて、花に興味のない人がどうして品種にこだわるのか、理解できないところです。
せめて、「木を弱らせないように、花は早めに摘んでいる。」くらいは言ってほしいものです。

話がそれてしまいましたが。
その当時、晃山華宝でさえ、幹回りが20センチもあれば相当太くて高価だったので、私にはなかなか手が出なかったものですが。
皐月の培養技術の著しい進歩と長く続いたブームによって、沢山の太い皐月が出現するようになり、単に太さだけでは価値判断できなくなってしまいました。

栃木へ行き始めた当初、ある方の紹介で知り合いになり、今でも私が最も尊敬する盆栽作家の一人、K氏の話です。
「周りの人が、大きい木ばかりを作ろうとするから、私は細くて小さい木を作るんだ。」と言って、とても手間が合わないような特徴のある、趣味のような皐月を自分で挿し芽から作っておられました。
もちろん、商売用にも立派なさつきをたくさん持っていらっしゃったのですが。


その方は、他の多くのさつき屋さんへも連れて行って下さいました。
珍しくてきれいな品種があれば、私の眼の前でも買っていかれたのには驚きました。

家に着くと買ってきた花物を、「これは自分の趣味だから。」と言って、別棟の花物が沢山入っているフレームへ持って行き、嬉しそうに並べていらしたのが印象的です。
K氏は、皐月の自然風樹形作りにおいては、第一人者と言っても過言ではないほど、盆栽作家として有名な方なのですが、花物にも明るい方だという事は、あまり知られていないのではないでしょうか。
樹形作りにどんなに高い技術を持っていても、皐月の花に対して、栃木の業者の方々は皆、それぞれ大切に思っておられ、地方よりその思いは強いように感じられます。

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2008.02.09 Sat
ワンポイントアドバイス(その3)
私が住んでいる九州の大牟田市では、毎年2月の終わり頃には根が動き始めます。


本格的な、冬が来てから、アッと言う間の出来事です。

昨年の秋頃から始めた、植え替えや選定の作業も、最後の追い込みの時期に入っているのに、寒さにかまけてはかどりません。

3月に入ったら、去年の失敗を繰り返さないように、ダニ剤をたっぷりかけておこうと思っています。(注*ピラニカはかけないで下さい)

ホコリダニに栄養分を取られる事が、皐月の枝葉は勿論、花にまであれ程の被害を及ぼすとは、思ってもいませんでした。
他にも、これまでどうしても分からなくてお客様ともどもあきらめていたことに、答えが見えたのです。

それは、住んでいる場所が四角いアパートの場合、皐月を置くベランダには上の階が屋根になり夜露が当たらず、葉の色は著しく悪くなり、最悪の場合枯れてしまいます。
ところが、去年ダニ剤を散布した事で、葉の色が回復したのです。
約一年経過した今でも、生育は良好だと聞いています。

ホコリダニの異常発生による被害も、お蔭様で大事には至らず、それによって得るものさえ有りました。
木作りも奥が深くて難しいのですが、それ以前に鉢の中で育てているだけで、次から次へと、分からない事が出てきます。
それでも花が咲き始める頃には、初心者みたいに心躍らせ、贅沢な気分を満喫しています。
お客様も、きっと同じ気持ちだと思います。

美しく咲き誇る皐月の花を、多くの人に見てもらえれば、と思っています。

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2008.02.07 Thu
園主の独り言【皐月の国際化について】
最近では、皐月盆栽も国際的になりつつあることを実感させられます。

5年ほど前に、皐月とは何の関係もない娘婿が、早く外国に目を向ければ…と、インターネット販売を強く勧めてくれたのでした。

行動力の無い私は、それとなく栃木の先輩たちに問い合わせてみたのですが、土をつけたまま輸出する場合、検疫の問題が大きく立ちはだかっていることを知らされ、あきらめてしまいました。

ヨーロッパ等では、皐月を欲しがる人は、沢山いるそうですが、簡単には送れないのが現実のようです。
もし送れたとしても、先方に皐月の知識を持つ経験豊かな指導者がいなければ、適切な維持管理ができず、悲惨な結果を招くことにもなりかねません。

皐月盆栽の趣味は楽しむためにやるのですから、どうせなら枯らさずに育てて欲しい。
毎年花を咲かせるコツを基本として覚えてもらい、鉢ものに欠かせない植え替えの方法も、目の前でやって見せる人が、いてほしいものです。


皐月盆栽は、世界に誇れる素晴らしい、日本の芸術・文化だと思います。

しかし、欲しがられるままに世界に輸出するには、生き物であるが故の問題点が多いように思います。

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2008.02.04 Mon
園主の独り言【今日は思うことを書きます】
皐月を長くやっているといろんな流れが出てきて・・・
その行きつく先みたいなものもたくさん見てきました。

花にしても木作りにしても追求すれば限りはなく、ただ難しさを感じているだけです。
今でも、皐月盆栽の手入れをしていて、きれいに仕上がった姿を見ると、本音を聞きたくて、妻を呼んで来て観て貰う事が有ります。

最新花をやっていても、その先を完全に花物仕立てに作る木もあれば、盆養に仕立てていく木も有り。
どちらにしても、高い所を目指せば目指すほど、技術とセンスが必要となります。

花季展において、たかが4?5年生の花物で、他に出品されている大きくて立派なさつき達を向こうに回しても、引けを取らないように飾るためには、品種選びは勿論鉢合わせや花の咲かせ方など、高いセンスが必要だと思います。

私が最新花に力を入れるのは、今までの古い盆栽は維持しつつ新しい花で楽しんでいきませんか、との提案でもあります。
毎年、花季展と秋季展を同じメンバーでやっている以上、どちらも必要となるのです。
また、展示会によって私自身も技術とセンスを問われることになり、気を抜くことができません。

展示会はお客様の作品の発表の場となるので、常に向上心を持ち続けるためにも、出来る限り続けなければならないと思っています。

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